天敵

引っ越し先のマンションに新たな敵が現れた。
そいつの名は“ハエ”。

新築にもかかわらず、エントランスにハエが2〜3匹舞っている。
最初は「なにかあったのかなあ?」と傍観していが、来る日も来る日もハエが元気よく舞っており、5〜6匹に増えている。

虫嫌いのため、ハエですら恐怖で気持ちが悪い。
社会起業家の端くれとして、正義感に火が付いた。
「他の住人も困っているであろう。ここは勇気を持って退治しなければならない」と。

戦う装備をするためコーナンに向かった。
手を下さず戦うために、光で駆除する誘虫灯を使用した殺虫機と、エントランスに置いて置くだけの“コバエホイホイ”を購入。
確かめてみた。

次の日の朝。
殺虫機にもホイホイにも1匹も捕まっておらず、5〜6匹のハエがあざ笑うかのようにビュンビュンと舞っている。
このままでは引き下がれない。

中距離まで近づき戦うため、昭和最大の兵器キンチョールを用意。
気になるのは、エントランスに設置されている防犯カメラ。
映像だけ見れば、エントランスで殺虫剤を撒き散らす“危ない人”。
大量散布できないため、ワンプッシュ程度を数回。

致死量まで至らない。その場にハエは居なくなるが、次の日の朝にはしっかりと復活している。
最終手段しか残されていない。
万が一の時のために用意しておいた「電撃ハエ叩きラケット」。

男らしく最後は散る覚悟で。
防犯カメラが気になるためチャンスは数秒。
いざ出陣。
カメラに背を向けハエに突進してラケットを振り回した。
結果は0匹。
ハエが悠々知的に上の方で舞っているだけ。

惨敗。
1匹のハエも倒せず、防犯カメラにはラケットを振る回している危ないおっさん映像だけが残っている。はず。
今日も出勤時、人間よりも元気にハエが舞っていた。

人類vsハエの戦いの幕が切って落とされたのであった。